アメリカのNoted*社の依頼で作った、初めての海外向けのからくりペーパークラフト「The Golden Rule」が刷り上がってきました。日本人ならではの、かつ海外の人におもしろがってもらえるモチーフを選びたいってことで、来日した社長のDougとビールを飲みながらアイデアを出し合うこと数時間。僕が出した「ハラキリ」だの「ゲイシャダンス」だのといった駄案は、苦笑ととも却下され、Dougがひらめいた、ご覧の「見ざる言わざる聞かざる」に決定しました。動きのようすもご覧の通り。もう一ひねりくらいあっても良いんじゃないかと思ったのですが、これくらいの素直さが、初めて触れるお客さんには適当だとのことで、第4のサル「せざる」は封印することになりました(下半身をおさえた猿で、これを加えて四猿にすることも本当にあるそうです)。僕としてのこだわりは、三猿三様の動きの元となるカムの形が実は一種類であること、それから、3匹の猿は組み合わせ自由で動きのタイミングを変えられ、取り外して1匹だけでも動かせるってとこでしょうか。
 調べてみると「見ざる言わざる聞かざる」のモチーフは、アジア各国だけでなく、ヨーロッパやアフリカを含めた全世界に広まっており、昔から様々な彫像が作られていて、それぞれ少しずつニュアンスの違った教訓とともに親しまれているそうです。いろんな国の人がいろんなイメージを膨らませながら、楽しんで作ってくれるとうれしいなあ。
 日本での発売は今のところ予定にありませんが、紙工房限定ででも販売できるようにしたいなと思っています。何がどうあっても入手したい方、もうしばらくお待ちくださいませ。