折りたたみ式 ミジンコペーパーモデル
 全国15の博物館と学校教員が協力して、生徒のための科学的体験プログラムを開発する「授業に役立つ博物館」という名称のプロジェクトがあります。今回は国立科学博物館から声をかけていただいて、ミジンコのペーパークラフトを作りました。子どもたちよ、これがミジンコ・・・なのだよ。
 2009年の春から一部先行実施される新学習指導要領では、小学校理科に「水中の小さな生き物」の分野が追加されます。この分野の教材企画を担当する国立科学博物館のスタッフの方から、昨年の秋、ミジンコの立体構造をペーパークラフトで再現できないものかという依頼をいただきました。この仕事やってて良かったなぁと思うのは、こういう無茶な依頼を受けた時です。お金がかかる他の素材じゃ、あんまり作ろうとは思わないもんなぁ、立体ミジンコ。(と思っていたら、その後の取材で何年か前に食玩でミジンコモデルが出てたのを知りました。さすが海洋堂。)
 これが教科書などでよく見るミジンコですよね。コイツが三次元的にどんな形してるのかなんて、全然気にしたことなかったのですが、実はけっこう意外な形をしてるんです。まずはそのフォルム。顕微鏡写真で見慣れているミジンコは、たまたまレンズの前でうまい具合に真横を向いてくれたミジンコの姿で、正面や後ろから見ると、かなり丸っこい形をしています。肩のあたりからは、二股に分かれた腕・・・と思いきや実は触角が左右に伸びていて、この触角をヒョコヒョコ動かして、水中を移動するんだそうです。そして僕が一番びっくりしたのは、成長したミジンコでは目が真ん中に1個しかないという衝撃の事実。体が透明だから、左右どっちから見ても黒くて丸い目が見えてしまうんだそうですよ。これは本当に知らなかった。
 という3つのポイントを、楽しく簡単に組み立てられるペーパークラフトを通じて小学生に伝えたいというご依頼。けっこう悩みましたが、監修の先生方のアドバイスもいただきながら、何とか条件をクリアできたのではないかと思っています。言われたまんま作ったんじゃ悔しいので、授業で作った後に壊さずに持って帰れるように、折りたたみ式のしかけも加えました。色画用紙で作って頭の穴に糸を通せば、風にそよぐ甲殻類鰓脚綱枝角目、お洒落なミジンコモビールの出来あがり、縮小して作れば手乗りミジンコだってできてしまいます。ミジンコに興味のある人もない人も、小学生のお子さんがいる人もそうでない人も、是非じゃんじゃんダウンロードして組み立ててみてください。
「授業に役立つ博物館」ホームページはこちら→

ミジンコダウンロードはこちらから→

学習活動案、その他のファイル(1)が説明図
(2)が展開図、(3)がミジンコの解説です。

2011年追記。
このミジンコと、温帯低気圧ペーパーモデルが、ミュージアムグッズとして発売されました。
詳しい情報はこちらのページをご覧ください。